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陰影と照明をたのしむ家

  • 変形敷地に合わせて建物を斜めに振り、駐車スペースを確保

  • 外観は左官仕上げ、シンボルツリーにイロハモミジ

  • 水路と玄関先を隔てるコンクリートの塀は打放し、駐輪スペースの上部まで小庇がかかる

  • 玄関の床は足触りの心地よいオークのスプーンカット仕上げ

  • 半畳を活用した土間収納、天井には目隠しのロールスクリーンボックスを埋め込んだ

  • リビングから玄関をみる、引戸は壁内に収納できる仕様に

  • 玄関スリットから午後は左官のしっくい壁に光が伝播する、高窓にはプリーツスクリーンを設けた

  • 1階リビングを見る、内装は3段階の灰色のしっくい左官を適所に塗り分け、明暗を作り出している

  • ダークトーンにまとめたキッチン、灰色のタイルと左官で色をコーディネートした

  • キッチンの床は磁器のタイル仕上げ

  • ダイニングテーブルに幅を合わせた造作カウンター

  • キッチンの奥には2畳程度の大容量のパントリー

  • パントリーから階段下をみる、ダイニング周囲の回遊動線となっている

  • 奥行900の天板はこどもの学習・創作スペースとして活用

  • 階段下のニッチにも間接照明が仕込まれている

  • 階段下はリビング収納として活用、大容量で重宝されている

  • 変形敷地の斜めのふくらみを利用した階段吹抜け、階段は昇り降りが楽な、ゆるやかな傾斜とした

  • 階段の踊場スペースに設けた本棚と床の間

  • 床の間はベンチや机としても活用できる

  • 二階のデスクスペースをみる

  • 天井の登梁は構造をあらわしに、変化する天井高が住空間に抑揚を生み出す

  • リモートワークに重宝する造作デスクは長さ3.6m、PCサーバの収納も一体で造作した

  • 吹抜けまわりにデスクや本棚、さまざまな居場所が設けられている

  • 2階の個室側をみる

  • 建具の開閉により、デスクスペースと個室を一体に使うこともできる

  • 収納引戸を開けた状態、左手に合板現しの大物収納スペース、右手に衣類収納

  • 1階キッチンからリビングを見る(昼)、半月型の窓からは道路向かいの桜の木が見える

  • 1階キッチンからリビングを見る(夜)、夜は空間全体を照らすのではなく、必要な場所だけを照らす方式で雰囲気を活かしている

  • 1階キッチンからリビングを見る(夜)、スイッチ1つで空間全体の照明のモードの切り替えが可能

  • ベージュ色にまとめた洗面台

  • 照明が特徴的なトイレ

  • 夜景、窓の半月型が夜は外観として浮かび上がる

竣工 / 2025年10月

設計者 / 中土居宏紀建築研究所

担当大工 / 佐賀野智也、古井裕貴

所在地 / 大阪府豊中市

延床面積 / 85㎡

建築面積 / 43㎡

敷地面積 / 80㎡

断熱等級 / 6 (UA値=0.42)

耐震等級 / 3(最高等級)

耐風等級 / 2(最高等級)

換気種別 / 第一種換気 (MAHBEX澄家)

C値 / 0.20

BELS / ☆☆☆☆☆ (BEI=0.67)

その他 / 長期優良住宅

伊丹空港の近所の変形敷地に建つ、3人家族、延床85㎡のコンパクトなお住まいです。
お施主様が照明に関連したお仕事をされていることもあり、均質に明るい空間ではなく、暗がりの中で適切な位置に照明を設け、陰影のなかの灯りを愉しむ住空間を目指しました。
吹抜の上下に子供の学習ニッチ、本棚のある踊場スペース、在宅ワークの為のデスクスペースなど、家族の気配が感じられつつ、様々な居場所を設けました。
1階の天井はヴォールト状にすることで、間接照明の灯りを空間全体に広げるとともに、第一種換気のための設備スペースとしても活用しています。天井にはダウンライトはほとんど設けず、まぶしさを感じない光環境になっているほか、ボタン一つで1階のすべての照明の明るさを記憶・一括コントロールできるシステムが組まれており、四季や時間帯に応じて即座に適切な光環境を再現することができます。
気密性を高め、断熱材をしっかり設けることで、 飛行機の離着音も気にならない静かな空間に。
最小限の照明で陰影を楽しむ、家計にも優しいお住まいです。

  • 通りがかる人に良く家のことを褒められます。

  • 豊中市F様

  • Q家づくりのきっかけを教えてください。

  • 夫婦とも中土居さんとは大学時代からの友人で、学祭のサークルで知り合いました。
    大阪で本格的に居を構えることとなり、まずは数社に相談に行きました。
    気の知れた友人ということもありますが、土地探しのこと、コストと規模感、照明へのこだわりを含めて一番柔軟に、私たちに合う家を設計してもらえそうだったことが大きいです。

  • Qどのように家づくりを進めましたか?

  • 私たちから具体的な間取りを提示することはありませんでしたが、二人とも照明に携わる仕事をしていて、陰影のある家、照明が美しい家を希望していました。いくつかの空間や光のイメージを提案し、それをもとに三人で計画を膨らませていった感じです。
    学生時代を思い出しました。

  • Qこだわりのポイントや入れてよかった設備はありますか?

  • リビングはすべてグレートーンの塗り壁にしてもらい、濃淡3種類の色をそれぞれのゾーンで塗り分けしてもらいました。
    一室の空間なのに、明るさ感が全然違います。
    あと、照明計画はとことんこだわりました。室を全体的に均一に照らすのではなく、居場所に必要な明かりを局所局所に設けています。通常は天井にたくさんつくことになるダウンライトもほとんど無くしています。
    第一種換気のMAHBEXは、夫が花粉症ということもあって入れましたが、効果に驚いています。
    前は気になっていた衣類のにおいとか、食事後のにおいなども、感じなくなりました。空気がきれいになった感じがします。
    玄関と踊り場の床だけ、床はスプーンカットの表情がついたものを選んでもらいましたが、寝転がると気持ちいいですし、陰影の表情が気に入っていますね。

  • Q後悔しているポイントや、これから家づくりをされる方が気にしておく点は?

  • 大きなところはないですが、在宅ワークのためのスペースが窓際にあるのですが、ちょっと冬はまぶしいかなと思っています。
    良い家を建ててから旦那もリモートをする機会が増えて、個室もあってもよかったかなと…
    土地探しは条件が完ぺきな場所がなくて苦労しましたが、やっぱり設計士さんに診てもらって、土地のデメリットをメリットに変えるような視点から選んだのが正解でした。

    二階に上がる階段の上り下りは、階段を緩やかにしてもらうことで今は全然苦ではないです。
    もし家づくりをされる方は、壁に囲われた折返し階段もいいですが、私たちの家のように上り下りが楽しい階段スペースにされるのをお勧めです!
    対面キッチンをはじめは考えていましたが、造作のカウンターを組み合わせて、I型の壁付けにしてもらったのは本当に良かった。通路も狭く感じません。

  • Q家を建ててからの反響などはありますか?

  • よく玄関先に出ると、通りがかる人から「塗り壁の外壁、やっぱりいいですね!」「素敵な家ですね」と声をかけられます。
    庭先に紅葉や植栽を植えたのも、土地が狭いからこそ少し彩を添えるような感じになり、通りがかりの人とのコミュニケーションの種になったりしてよかったです。
    今後は照明計画をさせてもらったお施主さんをご案内したり、ちょっとしたショールーム的に使えたらと思います!

  • Q冬の寒さ、周辺の音環境などはどうでしょうか?

  • 1階がリビングで1台のエアコンと2階の個室にエアコンを設けましたが、今(11月末)はほとんど1階のエアコンの朝の弱運転を数時間。それ以外はストップしても暖かいので、エアコンを止めています。
    近隣に空港があり、離着音が心配でしたが、気密性の高い家を施工してもらったこともあってか、外部の音は無音というくらい感じないです。

  • 中土居工務店スタッフからのコメント

  • この度はご依頼いただき、ありがとうございました。
    お二人とも大学でデザインを学ばれ、おかげさまで照明やセンスまで洗練されたお住まいになりました。
    また紅葉が赤く色づく季節に伺わせていただきます。